リサーチエッセイ

改正職業安定法が医療分野の人材紹介に及ぼす影響

堤 信之、坂口 一樹

【キーワード】

有料職業紹介事業者（人材紹介会社）、改正職業安定法、職業紹介事業報告、職業紹介優良事業者認定制度、日本人材紹介事業協会・医療系紹介協議会

【要　旨】

今般、改正職業安定法の施行（2018年1月）に伴い、人材紹介会社の経営品質の向上が期待される。本稿では、医療系人材紹介における不適切行為の是正に向けた、これまでの各界の対応を整理し、医療界として今後着眼すべきポイントを提示した。 人材紹介業界の自律的取組が望まれるが、直近アンケート調査（日医総研実施）で確認された、紹介人材の早期離職の高い状況が今後も改善しないのであれば、求人者との間で締結する人材紹介契約において、以下の規定化が検討課題となる。（１）紹介人材採用後、一定期間（3～6ヶ月）内に離職した場合の手数料返戻率を100%とする。（２）紹介人材採用後、早期離職した場合に手数料返戻が適用される期間を1年とする。