リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 72 2019-05-24

2019年度政府予算について-社会保障の充実を中心に-

 

  • 社会保障費については、① 社会保障費の自然増、② 消費税収(国分)と社会保障4経費の関係、③ 消費税増税財源による社会保障の充実、に目配りをする必要がある。
  • 社会保障費は例年自然増の圧縮が求められてきた。2019年10月には消費税率が10%に引き上げられる予定であるが、全世代型社会保障実現のため消費税増収財源の使途が拡大しており、個々の財源はタイトである。また、消費税増税対応として、国債を発行するなどしてキャッシュレスポイント還元や防災対策を行うため、基礎的財政収支の改善が先延ばしされ、社会保障費抑制の圧力がさらに高まることが予想される。
  • 来年度2020年度予算では、費用対効果、調剤報酬、病床削減等が論点になるだろう。現行、診療報酬本体がプラス改定になれば必ず調剤報酬もプラス改定になるが、患者負担に見合わない調剤報酬は適正化し、医科、歯科、調剤の必要なところに適切な配分をすべきである。

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