リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 73 2019-07-18

製薬企業等の 2018 年度決算概要と薬剤料比率

 

  • 日本の大手先発医薬品企業はグローバル化しており、その売上高は海外での売上やロイヤルティー収入の影響も受ける。日本国内では 2018 年度に薬価マイナス改定の影響があったが、主力商品が増収に貢献した企業もあり、個々の薬価の値決めの影響も小さくない。
  • 「値決め」といえば、原価計算方式の根拠には不透明な部分がある。ただし、そもそも企業として企業秘密をすべて開示しなければならないのかという問題もある。
  • 後発医薬品企業はこれまで拡大路線できたが収益性は低下してきており、来期(2019 年度)も減益が見込まれている。大手以外では、売上高も伸び悩みはじめている。
  • 医薬品卸は、2018 年 4 月に施行された「流通改善ガイドライン」が奏功し、収益性が改善した。
  • 薬剤料比率はおおむね横ばいで推移している(2018 年度は若干低下)。これまでの薬価制度改革を経ても薬剤料比率が変わらないということは、薬剤料と技術料が同じように伸びてきているということであり、今後も薬剤料の適正化にむけた薬価制度改革および適正処方の推進を継続する必要がある。

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