リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 79 2020-01-15

医業承継に関する実態調査 
都道府県医師会および郡市区医師会調査結果について

 

  • 医業承継の実態について、2018 年度調査(文献・統計調査と医業承継に関わる専門業者へのインタビューの実施:日医総研ワーキングペーパー No.422)、2019 年度調査(医療機関経営者を対象としたアンケートの実施:同 No.440)により、後継者候補が見つからず世代交代の機会をつかめていない医療機関経営者が相当程度存在し、相談先として、郡市区医師会、都道府県医師会に寄せられる期待も大きくなっていることが確認された。
  • そこで、都道府県・郡市区医師会に対するアンケート調査を実施し、医業承継に関する各種ニーズに対処し支援するための体制整備状況、当該支援業務の実施状況等について、実態把握を網羅的に行った。
  • 調査の結果、都道府県・郡市区医師会の実情としては、医業承継は多くの会員にとって間近に迫る問題であるとの認識と漠たる不安を抱えながらも、この問題に備えるための組織整備や支援体制づくりに着手されているところはごく少数であること、都道府県医師会と郡市区医師会との連携はほとんど行われていないことが明らかになった。( 回 答 数 : 都 道 府 県 医 師 会 47 件 ・ 100% 、 郡 市 区 医 師 会 586 件 ・70.3%)
  • まずは全ての都道府県医師会に早期に医業承継に対処する体制を整備することを最優先事項とし、さらには郡市区医師会/都道府県医師会/日医が一体となった窓口相談を行い、相互に情報共有する仕組みを構築したうえで、日医が医業譲渡・譲受希望者マッチングシステムを全国レベルで立上げることを提言したい。

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