リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 85 2020-06-23

地理情報システム(GIS)による医療アクセスの分析:
秋田県の三次救急医療に関する追加分析

 

  • 秋田県医師会へのインタビューを踏まえて、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)を実施している医療機関を捕捉して、三次救急医療アクセシビリティの可視化マップを作成し、分析した。PCI実施医療機関を考慮する方が現場の実態をうまく把握することになるという。
  • 三次救急病院+PCI実施医療機関で分析すると、県北中央の大館市・北秋田市エリアや県南西部の由利本荘市・にかほ市エリアにも、三次救急医療へのアクセスエリアが広がる。
  • 他方、県北西部の八峰町・能代市・三種町・男鹿市エリアやその他中山間地域においては、三次救急病院+PCI医療機関で可視化・分析しても、三次救急医療へのアクセシビリティがない。
  • 人口規模を考慮したアクセシビリティで可視化・分析すると、秋田市周辺のアクセシビリティは良好であるが、秋田市中心部が最もアクセシビリティが良いというわけではない。むしろ秋田市と大仙市や由利本荘市、横手市との境界地域のアクセシビリティの方が良好である。
  • 2050年までのシミュレーション分析によると、秋田県では今後著しい人口減少が予測されていることを反映して、人口当たりで評価した三次救急医療へのアクセシビリティは改善へと向かう。他方、県北西部の八峰町・能代市・三種・男鹿市エリアやその他中山間地域では、人口があるにもかかわらず、三次救急医療へのアクセシビリティがない場所が依然として存在し続ける。

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