リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 88 2020-08-06

新型コロナウイルス感染症の病院経営への影響
-医師会病院の場合-

 

  • 新型コロナウイルス感染症対応下における医師会病院の経営状況を把握するため医師会病院72施設に損益計算書等のアンケート調査を実施した。
  • 回答率は80.6%と非常に高い水準であった。今回の調査では非常に高い回答率が得られた。医療機関にとって回答の負担は小さくなかったはずであるが、現場の窮状を訴える声がそれを上回ったものと推察される。
  • 重症・中等症の新型コロナウイルス感染症入院患者に対する診療報酬の引き上げや、病床を確保している病院への補助金等の支援があるものの、新型コロナウイルス感染症入院患者受入病院および病床を確保している病院では医業利益率が大幅な赤字となった。それ以外の病院も、医業収入が大きく減少し、医業利益が悪化した。
  • 医療機関はすべてが新型コロナウイルス感染症に対応しているといっても過言ではない。国として、早急に医療機関経営の実態(特にキャッシュ・フロー)を把握し、追加的支援を行うべきだ。

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