リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 98 2021-01-06

治療と就労の両立のための意見書案の試行

 

  • 両立支援のための情報共有のあり方について~ 治療と就労・教育の両立のための医師連携(第2報) ~(日医総研ワーキングペーパーNo.437)で考案した患者の同意のもとに、主治医と産業医または事業場との情報共有を図るための「両立支援管理指導事項連絡カード」(以下、『カード』という。)を、石川県と広島県で試行した。。
  • 試行開始直後から新型コロナ禍で医療環境が激変したこと、および4月の診療報酬改定で療養・就労両立支援指導料の要件等が大きく改訂されたこと等から、回収できた調査票は少数にとどまったが、直接当事者の声を聴くことができた。。
  • 医療者側は記載が容易なカードに好意的であったが、主に患者側では職場での過剰な配慮への危惧や体験が寄せられた。

職場および産業医側の配慮の一部は患者にとって望まない状況をもたらしている場合がある。どのような打開策があるか検討することは、産業保健の課題の一つと考えられた。

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