リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 104 2021-04-27

国債発行はどの程度まで可能なのか
―社会保障との関連として―

 

  1. 日本国政府は国債および借入金残高は令和2年12月末で1200兆円を超え、GDP(国内総生産)の2.2倍に増加してきた。以前より国債発行残高が増えるとハイパーインフレーションや国家破綻が起きるという人もいたが、いまだそのような事態は起きそうにない。
  2. 国債には自国通貨建国債と外国通貨建国債(共通通貨建国債)があり、所有者に内国人と外国人がいる。
  3. 世界には多くの通貨があるが信用度の高い通貨から低い通貨まで様々である。信用度の指標の一つには対外純資産がある。
  4. 政府が国債を発行する理由は消費と投資を行うためである。
  5. 国債発行上限はその額やGDPとの比率ではなく、インフレ率で決まる。
  6. 2002年の格付け機関による日本国債のレーティング引き下げの際に財務省が行った反論において、財務省自身が先進国の自国通貨建国債のデフォルトはあり得ないと主張している。

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