資料・書籍・その他

資料・書籍・その他 2002-02-04

フランスレポート|フランス医療界2001年を振り返って

研修医、病院勤務医給与条件
 研修医、公立病院勤務医は、国家公務員であり、給与はカテゴリー別で一律である。毎年、 インフレ率等考慮の後、給与に関する条令が定められる。
 2001年度のインターン、レジデント実習医および、勤務医の年収は以下の通りであった。 尚、実習医の段階では、医師、歯科医師間での給与の差はないが、一般医研修医(レジデント) と、専門医研修医(インターン)の専門での差違がある。勤務医ではアシスタントと補佐的なアシス タント・アソシエートでは明らかな差がある。この経済的格差は、卒前教育と選抜試験結果から帰 来するもので、フランスに不当な問題として存在する専門医至上、一般医軽視傾向問題に繋がる。

 

学年及び職員タイトルと勤務歴 年間報酬
医・歯学部第2サイクル課程第4学年生(国家試験前の医学部最高学年) 19,475フラン
医・歯学部第2サイクル第3学年生 17,372フラン
医・歯学部第2サイクル第2学年生 8,686フラン
一般医アシスタント1年目-2年目 166,089フラン
同3-4年目 191,281フラン
同5-6年目 208,236フラン
専門医アシスタント1-2年 191,281フラン
同3-4年 208,236フラン
同5-6年 235,311フラン
一般医アシスタント・アソシエート1-2年 138,621フラン
同3-4年 152,431フラン
同5-6年 166,089フラン
専門医アシスタント・アソシエート1-2年 181,854フラン
同3-4年 197,962フラン
同5-6年 215,717フラン

 

医師人口比
 OECD発表によると、2001年フランスの1,000人口に対する医師数は、 3人である事が顕かにされた。ちなみにこの数字は、米国2.7人、ベルギー3.8人、 イタリア5.9人となっている。

 

医師・歯科医師診療報酬の高騰率
 CNAM(全国疾病金庫)によれば、2001年10月末日の時点での、開業医および 歯科医の診療報酬高騰率は、3.9%水準である事が発表された。

 

医療消費量十年で50%の増加
 2001年のフランス人による医療消費量平均は、12,715フランで、この数字は、 十年前の二倍となっている。またその内、自己負担額は、1,382フランであり、社会保 障の充実度が伺える数字と言えよう。

 

インフォームド・コンセントに関する判例
 2001年10月10日、最高裁での判例は、医師による患者への情報義務の重要性 が再確認され、無期限に時を遡り有効である、法の遡及性を認めるものとなった。

 

フランス国内医師数23万人
 DRESSによれば、2001年1月1日、フランス本土国内で活動を行う医師の数は、 196000人(一般医96,246人、専門医99,754人)、海外領で3,445人である事 が発表された。また勤務医は、55,970人(この内病院勤務医55,970人)、開業医 は118,141人であった。

 

医師職の女性化
 DRESSによれば、フランスの医師全体の36.4%が女性であり、専門医では37%、 一般医では35.8%である事があきらかとなった。この数値は、地域により格差があり、 最南端コルシカ島が最も低く、30%未満となっている。