資料・書籍・その他
資料・書籍・その他 2001-10-15
フランスレポート|2002年度社会保障予算案発表
9月23日、エリザベス・ギグー雇用連帯相(社会党)は「2002年度社会保障予算案」を発表した。これは今後、10月10日に閣議で討議され、更に10月23・24日に野党を含めた議会で討論される事が決まっている。 法案は、2002年度の就労者人口+5%、GNP+2.5%の仮定のもとに計算されており、政府が景気回復を現実よりやや楽観的に見込んだ印象は否めない。(表1参照) これによると、2002年度の医療費国家目標額(ONDAM)は、2001年より+3.8%の112.62ミリヤード・ユーロとされ、その内訳は、開業医部門予算(処方薬剤費を含む)が+3%、公立病院部門予算が+4.8%、社会医療施設部門予算(老人・障害者ホーム等)が+4.8%、私立病院部門予算は+3%となっている。 また、医師への診療報酬点数(単価コードC)の引き上げも、来年度にあると見られている。 これに対し、同日早くも医療系労組は「非現実的かつ不可能な数字である」とコメントを発表した。 また野党議員は「週35時間時短労働制財政の計算が曖昧で、予算の詳細が不透明である」と指摘した。 この発表を受けてシラク大統領は、8名の右派寄り医療専門議員(この8名は氏の医療政のキー・パーソン。全員医師及び、医療機関・製薬業出身。表2参照)と昼食懇談会を開き、来春大統領選の公約の柱に医療改革を盛り込むことを確認した。 既に地方で禊を済ませたアラン・ジュッペの公での懺悔により、開業医総枠予算に付随する返済罰則の廃案を印象付けた右派は、このまま医療ロビーの団体票を得て再選を望む模様である。
表1. 被用者社会保障金庫(CNAMTS)疾病部門財政
年 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 |
ミリオン・ユーロ | -731 | -1634 | -2023 | -2002 |
*青字は今回発表された予算案
表2. 8名の医療専門議員
所属党 | 議員 |
RPR | ジャン・ミシェル・ドゥベルナール |
RPR | ベルナール・アコワィエー |
RPR | ルノー・ミュセエリエ |
RPR | ピエール・モランジュ |
UDF | ジャン・リュック・プレエル |
DL | ジャン・フランソワ・マテイ |
DL | マーク・ラフィヌー |
Centre | ジャン・ロラン |