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資料・書籍・その他 2001-08-14

フランスレポート|ドイツの主要な疾病金庫、掛け金引き上げを決定

ドイツ社会保障の主だった疾病金庫は、昨今の医療消費の上昇を反映して、 拠出金を給与の平均13.5%から13.9%に引き上げることを決定した。
上昇率は各金庫間で大きくばらつきがみられ、その最も高かったのは、希望すれば誰でも加入できる (年齢・既往歴などの条件無し)「一般金庫」であった。対して最も低く抑えられたのは、 リスクにより加入者を選別する事ができる「コーポレーション金庫」であった。

 

前者は以前より、後者のこのダンピング・システムをモットーに、健康な若年層をひきつける社会的不公平な 戦略を政府に訴えており、これを受けたドイツ政府も、拠出金最低額規制等でなるべく各金庫間の格差を 縮小するように努めていたが、決定的な解決はみられないまま座礁していた。
各金庫は、上昇の一途をたどる医療費の削減に向けて、効果的な政策 (薬価引き下げ、薬価付加価値税引き下げ、薬剤通信販売許可、総枠予算制廃止など)を政府に要請していた。

 

今回の引き上げは、疾病金庫のみならず、老齢年金金庫にも影響をもたらすのは確実で、 現シュレーダー政権がこの一年あまり目標と掲げてきた「一般徴収軽減」とは、かけ離れた現状となった。

 

出典:Le Quotidien du Medecin7月4日号より