日医総研
日医総研 日医総研ワーキングペーパー
No. 408
レセプト情報等データベース活用の一例:高齢者医薬品適正使用のためのエビデンスの構築
上家和子
概要
◆レセプト情報等データベース(NDB)

NDBの第三者提供が本格的に開始されて2年経過しているが、その利用は行政機関や一部の大学等に限られていた。

◆集計表提供申請

第三者提供の方法のうち集計表提供は、申請時点でレセプト情報の特性を踏まえて結果表を想定していなければならない一方、抽出作業をデータセンターが実施することから、比較的短期間に結果を得ることが可能である。

◆高齢者の医薬品使用の状況

高齢者の医薬品使用については一部の医療機関データしかなく、エビデンスは不十分であった。今回、NDBを利用することで、現状の一端が明らかとなった。

  • 75歳以上では人口の半数以上が少なくとも対象とした1か月間に調剤医薬品を使用しており、その割合は平成23年よりも平成27年のほうが高くなっている。
  • 医薬品種類数度数最大値は2剤で、年齢階級があがるにつれて増えている。
  • 日本老年医学会の75歳以上の高齢者に対して「特に慎重な投与を要する薬物のリスト(STOPP-J)」掲載対象薬効群内においても年齢階級があがるにつれて複数使用が増えている薬効群がある。
◆検討課題
  1. NDBデータ活用の利点と限界:極めて検出力の高いツールであるが、臨床疫学からのアプローチにおいて異なる領域であるレセプト情報の特性の理解が必須である。
  2. 高齢者の医薬品適正使用に向けての対応:医師・医療機関、薬剤師・薬局のみならず、国民の受療行動、薬局利用動向における取り組みが必要ではないか。また、一部の薬効医薬品についてはとくに高齢者の使用を前提とした開発が必要ではないか。
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